こんにちは、トミモトリエです。
12月1日に、株式会社人間・人間編集部が運営する新しいメディア『ヘンとネン』をローンチしました!
東京から大阪に移住して8年半、同じく東京から大阪に移住してきた納谷ロマンと一緒に人間編集部を立ち上げてもうすぐ5年……。ずっと「私たちから見た大阪を発信したい」という想いと、「自分たちのメディアを持つ」という目標に向かって活動してきましたが、紆余曲折あって、ようやくスタートすることができました!
コンセプトは「時代を蛇行する超生命体マガジン」。
大阪弁の「〜へん」「〜ねん」、そして「変」と「偏」、「燃」と「念」の意味を込めて、過剰なエネルギーと枠におさまらないバイブスを発信する、Webマガジン、Instagramマガジン、ティッシュZINE連動型のメディアです。
今回は、発起人のトミモトリエ&納谷ロマンが、立ち上げの経緯や想いを語ります。
時代を蛇行する超生命体マガジンとは?
トミモト:
はい、というわけで。12月1日『ヘンとネン』創刊しました!
ロマン:
蛇行に蛇行を重ねて、創刊しました!
トミモト:
『ヘンとネン』ってネーミングが決まったのが1年半ぐらい前?
ロマン:
そのときは向こう3ヶ月ぐらいでローンチしましょうって勢いでしたけど、他の仕事が忙しかったり体制が整わなかったりで。
トミモト:
紆余曲折あってようやくローンチできました。人間編集部を私とロマンで立ち上げたときから、大阪を紹介するメディアをやりたいって話はしてたよね。
ロマン:
2人とも大阪に移住してきて大阪を好きになって、それを煮詰めて煮詰めて結集したのが『ヘンとネン』っていうメディアです。
トミモト:
コンセプトが「時代を蛇行する超生命体マガジン」なんですけど。
ロマン:
このメディアでは、僕らは「蛇行案内人」ってことで。蛇行ってなんやねんってなると思うんですけど……
トミモト:
どうしても蛇行っていう言葉を使いたくて。周りから「もうちょっと分かりやすくしたら?」って言われたりもしたけど、「いや、蛇行なんですよ!」って。
ロマン:
その後ろの「◯◯マガジン」の部分がはなかなか決まらずで。「大阪」を入れるべきかといろんな方向からの意見も汲みながらか悩んでたときに、僕がぽろっと「超生命いいんじゃないすか」って言ったんです。語感もいいし、大阪に住んでる人たちって超生命体的なパワーを持ってるんじゃないかと。
トミモト:
みんなに「どういうこと?」って言われたけど、私たちの中ではハマってます!って押し通して。私たちは東京から大阪に移住してきたけど、ずっと大阪にいる人たちは「大阪のすごさ」をわかってないんじゃないかって思うんですよ。
ロマン:
ずっと大阪に住んでいたり、大学生以降に大阪を離れたりした人とは違う目線で大阪をみて感じるんですよね。
トミモト:
そう。なんでこんなに魅力を感じるのかを考えたら、「ちゃんとしなくても生きていける」ってことに気づいて。
ロマン:
ちゃんとちゃんとしてないんだよね。
トミモト:
例えば、大阪スパイスカレー。とにかく自由な発想でやってる。「うちのバー昼間使ったら?」みたいな感じで間借り営業したり、気分で開けない……みたいなことも多々あって「カレーが納得いかないんで今日は開けません」とか「寝坊しました」とか。
大阪のカレー屋は超生命体だらけ。トミモトは『Meets Regional』で変態的カレー屋を追う記事を書いています。
ロマン:
普通だったら絶対開けないといけないんだけど。
トミモト:
それも当たり前のように受け入れられてるんですよね。
ロマン:
たしかに行く人も「しょうがないか」みたいなところあるよね。
トミモト:
みんなで店を支えていて、そこに「大阪のすごさ」を感じるし、自由な発想が生まれて、面白い人たちが活躍できる土壌がある。
ロマン:
とはいえ味が適当なわけではなく、ちゃんと美味しくて魅力的な人物だからこそ、応援したくなる。また行きたくなる。
トミモト:
東京にいたときは、もっとちゃんとしなきゃっていう感覚があったんですよね。
ロマン:
ありましたね。ちゃんとしなきゃちゃんとしなきゃでしたね。
トミモト:
編集の仕事にしても、いい大学出て、大きい出版社とか編集プロダクション入って……みたいな、敷かれたレールがあった。会社は右肩上がりで大きくしていくものみたいな。それに疲れたのもあって大阪に来たんですよ。そしたら、みんな周りのことそんなに気にしてなかった。
ロマン:
意外と興味なかったですよね。
トミモト:
そうそう。知らん人が話しかけてきたり、おせっかいはあるけど、みんながみんなそのままでいい感覚がある。
ロマン:
肩書き、レッテル、タグみたいなもので人を判断しないし、その人がなにをしてても、仮に働いてなくても別にいっかって感じがありますよね。
トミモト:
なんでもボーダレスで、音楽だとレゲエとパンクが一緒にイベントやってることもある。ジャンル関係なく縛られてないのも大阪の面白さかなって。街の看板も。大阪ってめっちゃ看板飛び出してるじゃないですか。
ロマン:
ダメなんだけどね(笑)。
トミモト:
電車も、ちゃんと詰めずに1人分だるく座ってる人が割といて、最初はなんで?と思ったけど、座りたかったら言えばいいし。すべての大阪人がそういうわけではないけど、自分は自分で、周りの人のことをそんなに気にしない空気感が気楽。
ロマン:
かといって不親切なわけではない。道聞いたら教えてくれるし、電車で妊婦の方、ご年配の方がいたら席譲るし。
トミモト:
いい意味で適当みたいな。
ロマン:
「そいつの生き方だからいいよね」って許容するパワーがありますよね。
トミモト:
「蛇行」って言葉も、時代に流されない、枠に囚われないってニュアンスで。『ヘンとネン』は大阪弁の「〜へん」「〜ねん」と、「変」「偏」、「燃」「念」って意味を込めていて。大阪って東京より狭いけど、熱量は負けてなくてアツい。過剰なエネルギーを街にも人にも感じる。
「大阪蛇行案内」で紹介した京橋の「とよ」、大阪を代表するパワフルお父さん。
ロマン:
爆発しそうだもんね。いろんなものにパワーやエネルギーを感じるから、どんどんいじっていきたい。
トミモト:
結局バイブスだよね。やっぱり面白いのは人であって、人を中心に紹介していきたい。性別も年齢も関係ない、人間っていう枠も超えちゃいそうな熱量や生命力の高さ、自由さを紹介していきたいし、あり余ってる大阪のエネルギーをお裾分けしたい気持ちがある。私たちみたいに大阪に移住したり、遊びにきたりする人が増えたら嬉しいし。それと、大阪の人たち同士が繋がって新しいものが生まれたらいいな。
第三者の心の声が入るツッコミ機能
ロマン:
どんなメディアかざっくり話してきましたが、実際どういう企画があるんですか。
トミモト:
メインは「超生命体の偏愛図鑑」。大阪の面白い人たちのことを超生命体と呼んでるんですけど。インタビューではなく、あえて自分が好きなもの、気に入ってるものを語ってもらうコーナーにしたんですよ。これをたくさん更新していこうと思っています。
ロマン:
「偏愛」を語る。
トミモト:
愛してるものを語ってもらうほうが、その人の熱量が伝わるんじゃないかなと。
ロマン:
あとは人間編集部のメンバーや超生命体たちが好き勝手書く連載とかね。最初にアップされた連載だけではなく、これからさらにいろんな人が書いていく予定です。
トミモト:
「大阪蛇行案内」っていう特集もあって。これは、私やロマンが蛇行案内人となって、大阪が気になってる人や、移住したばっかりの人に街を案内していく企画です。
ロマン:
第1弾の記事では、はましゃかちゃんが出てくれたんですよね。
トミモト:
前に人間編集部の仕事で講演会の依頼をして来てもらったら、大阪にどハマりしたらしく。「大阪来たいから仕事ください!大阪の仕事ならやります!」って言われて、その後も何度か来てもらってたんですけど、その翌週にまた友達を連れて遊びに来て、私たちが案内したコースをそのまま案内してくれたり。
ロマン:
もはや、はましゃかちゃんが蛇行案内人になってくれてるよね。今年トータル2〜3ヶ月は大阪にいるんじゃない?二拠点生活と言っても過言ではない。
トミモト:
どんなふうにするか取材が始まるまでちゃんと決めてなかったよね。なんならこの「大阪蛇行案内」って名前も後からつけたから。
ロマン:
大阪のまだ知らない魅力を伝えようってことを、作りながら考えましたね。だから僕の蛇行っぷりにも注目してもらって。記事のなかに、いわゆるウェブ記事とは違うツッコミ機能っていう楽しい仕掛けが潜んでたりもします。
右上のツッコミボタンを押すとオン・オフ切り替えできます。
トミモト:
記事に本の帯のような推薦文章があるんですよね。読んでいくとその推薦人からのツッコミが入ります。普通に読みたいときは機能をオフにしてください。
ロマン:
普段から僕ら記事を読んだときに感想を言い合ってますけど、「これなんやねん」とかのツッコミをいろんな人に入れてもらいたくて、既に記事の中に入ってるのは見たことないし面白いよねってなったんです。
トミモト:
大阪の人ってテレビ見ながらずっと喋ってるじゃないですか。テレビの世界とお茶の間が地続きになってて「◯◯ちゃんそれあかんやろ!」とか、気軽にツッコミ入れてる。大阪の人たちがテレビを見てるあの雰囲気を記事に入れたいって思ったのがきっかけです。普段だったら編集担当、クライアントのチェックが入るけど、関係ない人に読んでもらうってなかなかないよね。
ロマン:
校正を入れないのも、このメディアの基本方針です。本当に事実と違ってることはチェックするけど、書き間違いや表記揺れとかは、それも味として受け入れるかツッコんでください。
トミモト:
とにかくみなさんツッコんでください。間違いがあったら教えてください。「自由に書ける」「やりたいことができる」場所にしたいなと思ってるので、これが正しい、これってこうすべきでしょっていうのをしたくないなと。ライターじゃなくていいし、文章書いたこともなくてよくて。
ロマン:
「こんなことやってみたいんだよ!」があればね、どんな人も。
トミモト:
編集方針を作ったときに「文字に頼るな」って書いたんですよ。バイブスを伝えるのが一番大事だから、気持ちが先走って書いちゃうぐらいがいいと思ってる。手癖で書く文章は絶対に面白くないと思うし。文章でなくても、音声や動画、また全然違うものがあってもいいかな。「◯◯カフェの店主に伝えておいたから、その人に聞いてください」みたいな、誰かに代弁してもらう連載があってもいいと思う。
ロマン:
「書くことに依存しないでいい」ってのはありますね。
トミモト:
それに囚われちゃうと面白いものできないんじゃないかな。「ノってるか」がすごく大事。
ロマン:
熱量なんですよ。ラブレターも、お父ちゃんお母ちゃんに書いた手紙も、別に文章が上手いわけじゃなくても、思いがめっちゃ強いからいいし、伝わるし。好きが高じて作るものはクオリティ以上にパワーがあったりするんで、そういうのをググッとみんなとできたらいいな。
たばこ屋のおばちゃんも知ってるメディアにしたい
トミモト:
もう一つ、広告記事を書かないって決めてます。今はまだうまく実装できてないですけど、投げ銭式のメディアにしたい。
ロマン:
この記事よかったと思ったら記事に課金できるみたいなね。
トミモト:
街で集めてもいいかなと。「この連載の続き読みたい僕が5000円出します」みたいなノリもアリだなと思う。
ロマン:
「こういう人呼んでほしいからカンパするよ」とかもね。
トミモト:
みんなにちゃんと原稿料払ってるけど、最低限の金額しか用意できてないので。500円でもビール1本でもいいから、応援してくれたら嬉しい。今はウェブメディアとインスタマガジンをやってるけど、本当にやりたいのは手で配るものだったりして、ティッシュも用意してます。
ロマン:
ティッシュね。
トミモト:
大阪ってまだインターネット来てない説あるじゃないですか。概念的なね。インターネット使ったりSNSやったりしてる人がほとんどだけど、街で喋って情報収集してる人もいて。この『ヘンとネン』はそこの角にあるたばこ屋のおばちゃんとかにも知ってほしいんですよ。いくらインターネットで宣伝しても届かない人もいるから「ティッシュZINE」っていうのを配ったり、店に置いてもらったりする。
ロマン:
「今回◯◯さんが表紙か」って集めてもらえるものにもなる。
トミモト:
自分で自分のティッシュを配ったりね 。
ロマン:
ティッシュはなんぼあってもええですからね。
TANK酒場の古谷さん
トミモト:
そして、このメディアがなにを目指してるかというと『となりの人間国宝さん』なんですよ。
ロマン:
キラーコンテンツ!
トミモト:
大阪ではいろんなお店に『となりの人間国宝さん』の認定ステッカーが貼られてる。私たちも「超生命体認定ステッカー」を作って取材した人を認定していく予定。取材した人みんな「超生命体」って呼ばれてすごい喜んでくれるんですよ。大阪の人たちって、自分たちのことをアピールするのがあんまり得意じゃない説もあって、でも超越した個性や、やってることを認められると嬉しい。それに「超生命体」って言葉がハマったみたいでよかったなと。
ロマン:
このメディアを通じて、街やネットで見つけた面白そうな人とか、もっといろんな人に会っていきたいですよね。
超生命体&蛇行案内人募集
「ヘンとネン」に出てくれる大阪人(出身 or 在住 or 勤務)募集中! 自薦・他薦は問いません。また、コンテンツ制作パートナーとして活動してくれるスタッフも募集しています!蛇行案内人になりたい!連載コラムを書きたい!企画・編集・撮影スタッフとして参加したい!という方は人間編集部までお問い合わせください。経験がなくてもOKです。