経営方針発表会がおもしろくないので、運動会をすることになりました
広報なのに、こんなことを言ったら怒られそうなんですが、経営方針発表会ってぶっちゃけしんどいイメージじゃないですか?
ごめんなさい…広報なのに…..
会社の偉い人が出てきて、今後の経営目標などを語り、難しい言葉がどんどん飛び出してきて……
もちろん内容は大切なんですが、聞く側はただ静かに座ってるだけ。
私は、校長先生の話を全然聞けなかったタイプなので、経営方針発表会も最後まで集中力が持続する気がしませんでした。
すみません…広報なのに….
実は、株式会社人間では、これまで一度も経営方針発表会をしたことがありませんでした。
しかし、大阪・関西万博を勝手に盛り上げる有志団体「demo!expo」を立ち上げ、2025年は編集部が「株式会社人間編集舎」として独立したことで、事業の規模も大きくなり、3社の連携が必要な状態に。
この3社はいずれも花岡さんが関わっていますが、各社に所属しているメンバー同士は面識があるものの、深い関わりがあるわけではありませんでした。
バラバラの3社が連携するために経営方針発表会は避けては通れませんでしたが、普通の発表会はしたくない!
というわけで、はじめての経営方針発表会を運動会にしてみました。
経営目標を発表しながら、同時に競技にも挑むという、少しハードな経営方針発表会です。
競技を通して一致団結することで、各社のメンバーの繋がりも強固になるはず。さらに、発表の間に競技をはさむことによって、休憩がてら経営者の話を聞くことになりますが、逆に集中力が高まると思います! たぶん。
3社合同の大所帯なので、会場はまさかのエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)貸し切りです。思っていた以上に盛大なイベントとなったので、その模様をお届けします。
そもそも、3社についてよく知らない方のために、簡単にご紹介させてください。

株式会社人間
「面白くて変なことを考えている」をモットーに、ジャンルの枠にとらわれないアイデアをつくるコンテンツ企画制作会社。キャンペーン、グラフィック、イベント、なんでもやります!
株式会社人間編集舎
元々は「人間編集部」というメディア運用とコンテンツ制作を担うチームでしたが、2025年2月に法人化。
「ひらいて、おどる。」をコンセプトに、人と人の間にある見えない壁を壊し、時代を揺らす台風を起こすプロ集団として進化中!

demo!expo
大阪・関西万博をきっかけに、何かをしたい人が集まって活動している一般社団法人。
2025年の大阪・関西万博をきっかけに一人でも多くの人の目的や願望、野望が実現するような活動に取り組んでいます!

始まる前は朗らかな雰囲気。
おもんないことをどうにかしたい開会宣言
経営方針運動会は、花岡さんのあいさつから始まりました。
3社の共通概念として「おもんないことをどうにかしたい」という共通認識があるため、各社の理念や信念、目指してることを理解し合えば、もっとおもしろいことができそうだと説明。

経営方針運動会の司会は、甲斐さん(demo!expo)が務めてくれました

3社の代表でなかよく選手宣誓も実施。
今回の運動会は各社に参加上限(15人)を設け、参加人数が平等になるように調整されたうえで、3社が獲得ポイントを競い合う方式です。各競技の1位には400ポイント、2位には200ポイント、3位には100ポイントが付与され、最終的に、合計得点が最も多いチームが優勝となります。
心を一つにする一競技目:大縄跳び
まず最初に、ポイント獲得は度外視で参加者の心を一つにするためのエキシビション種目の「大縄跳び」が行われました。
それぞれの会社から5名ずつ参加し、制限時間10分以内に、みんなで20回跳べたらクリアというシンプルなルールでチャレンジしました。

「20回は、さすがに余裕やろ」と思っていたら、まさかの大苦戦。
テーマは「なかよく」なのに、失敗するたびに「誰や!?」と怒号が飛び交い、気づけば常に犯人探しをしていました。

心が一つになる兆しが全く見えない。

犯人扱いされる今村さん(demo!expo 副代表)
みんなボロボロになりながらも、メンバーを入れ替えたり、並び順を変えたりと、工夫をこらしながら懸命に挑みました。

最終的には目標回数を20回から10回に下げるという大幅ハードル調整。さすがにクリアできるのか?
クリアできました!!!
成功した瞬間の盛り上がりは、半端なかったです。ちゃんと心が一つになった気がしました。
一競技目からかなり体力を削られた様子なのですが、このままdemo!expoの経営方針を聞きます。
経営方針テーマは「見極める」demo!expo
demo!expoの経営方針を発表するのは、副代表・今村さん。
demo!expoは、「街の人を主役に、街から万博をつくっていく」ことを掲げて活動する一般社団法人で、大阪・関西万博の認知拡大と機運醸成を目的に立ち上がったプロデューサー&クリエイター集団です。
「夢洲の会場だけでなく、街じゅうを万博会場として楽しもう」というコンセプトで、地域のイベントやプロジェクトなどを「まちのパビリオン」として発信する取り組み「まちごと万博」や、万博に関心がある多様な人たちが集まり、飲食を楽しみながら気軽に交流・作戦会議ができる期間限定の酒場型コミュニティスペース「EXPO酒場」など、公式・非公式や企業・個人の垣根を越えてさまざまな取り組みを企画してきました。
このように、今までは大阪・関西万博をきっかけに生まれたプロジェクトが多かったdemo!expo。
今後は万博を通じて得た海外とのつながりを活かし、大阪に海外の文化を持ち込んだり、大阪の街を舞台に実験的なプロジェクトを展開していくと発表されました。

そんなdemo!expoの経営方針テーマは「見極める」。

もともと別の組織に所属しながら、副業的に関わるメンバーが多かったこともあり、売上や利益目標はあえて定めず、まずは活動の軸を見極めることに力を入れる方針だそうです。

メンバーが爆増中のdemo!expo。合計@人のメンバーが関わっています。
「なかよく」なれる二競技目:五人六脚
経営方針の発表が終わると、いよいよ競技開始です。体を動かします。
各社がそれぞれ選んだ競技を、プレゼン後に発表するスタイルなのですが、demo!expoが選んだのは「五人六脚」。
経営方針運動会のテーマ「なかよく」にぴったりの競技でした。
各チームから5人ずつ選出され、まずは10分間の練習タイム。

人間チームは、奇跡的に身長がそろった5人が集まり、「に・ん・げ・ん! に・ん・げ・ん!」と掛け声を響かせながら練習。
普段は声を張らないタイプの人たちが、一生懸命声を出してがんばる姿に感動しました。
人間編集舎チームは、なかなかメンバーが決まらず、人間チームから私(はまだ)を緊急で投入。
学級代表をしていたというみほたんが仕切ってくれたおかげで、なんとか練習がスタートしました。

右から2番目がみほたんです。
競技を選んだdemo!expoは、きっと阿吽の呼吸で勝利をかっさらっていくはず…と誰もが思っていました。


が、まさかの編集舎チームが圧勝。 一番運動していなさそうなのに。
どんなトラブルが起きても原稿を納品する力「なんとかする力」が発揮されたのかもしれません。
ちなみに2位は人間、3位は競技を選んだdemo!expoという結果でした。

自分たちでも予想してなかった結果に喜ぶ人間編集舎のみんな。
次世代スターを発掘&健康経営が目標の人間編集舎
続いては、今年2月に人間編集部から法人化し、新たなスタートを切った「株式会社人間編集舎」のプレゼンタイムです。
人間編集舎は、「人の編集」にもっとじっくり向き合うために人間編集部を独立させ、新しい会社として生まれた組織です。
同社では、「編集」を人の中にある芯を見極め、エネルギーを引き出し、一緒に踊りながら世の中に伝わるバイブレーションをつくる営みと捉え、深く編集を追求できる環境を整えつつ、株式会社人間とは少しちがう視点ややり方で、新しい仕事やコラボの可能性をどんどん広げていこう、という思いから立ち上がりました。
これまで、近畿大学の「Kindai Picks」や大阪観光局の「しっとんか大阪」など、さまざまなメディアで記事や動画などのコンテンツ制作を行ってましたが、最近は、編集舎の強みである「街からスターを発掘する力」と「企画力」を活かしたプロジェクトも増えてきているそうです。
そんな人間編集舎が、今後の経営方針として掲げるテーマは2つ。

ひとつ目は「次世代スター発掘」。
人間編集舎が運営するWebメディア「ヘンとネン」で“超生命体認定”活動を継続していきながら、大阪を代表する次世代のスターを見つけ、活躍の場を広げていくことを目指していくそうです。

ふたつ目は「健康経営システムの開発」。
忙しい日々の中でついハードワークになりがちな環境を改善するため、AIやタスク管理システムを活用し、健康的で持続可能な経営体制を整えていくことも目標として掲げられました。

ルールの複雑さでパニック!三競技目:借り人ビンゴ競争
プレゼンが終わり、人間編集舎が考案した競技は、「借り人ビンゴ競争」。
チームに所属するメンバーと、“超生命体ティッシュ”に書かれた特徴から、条件に合う人物を探し出し、ビンゴを2列完成させるというルールです。

ヘンとネンで取材した人がティッシュになってる「超生命体ティッシュ」

意味がわからないままティッシュをばら撒く人間のインターン生。
「ヘンとネン」に関わっている人が多い人間編集舎チームにとっては、圧倒的に有利な競技なのですが、ルールが複雑なため、現場は一時パニック状態に。
全員がルールをいまひとつ把握していないような空気が漂っていましたが、スタートの合図と同時に、各チームはティッシュを目指して猛ダッシュ!

後から考えると、最初にダッシュする意味はあんまりなかったと思います。
「メガネ」や「帽子」といったシンプルな条件は、現地のメンバーだけで対応できるものの、「腕に刺青」「カレー屋」「フォロワー10万人」など、難易度の高い条件はティッシュから該当者を探し出す必要がありました。

一応、ティッシュに強いメンバーが選出された人間チーム

ビンゴが完成したチームは、審判役のトミモトさんのもとで答え合わせを行います。
最初に答え合わせにたどり着いたのは、圧倒的に有利な人間編集舎チーム。

しかし、まさかのビンゴ未完成という事態に。編集舎に圧倒的に有利なはずなのに、まさかすぎました。
続いて、到着したのは、demo!expoチーム。

しーちゃん(左)はヘンとネンでもライターとして活躍
最終的に、ルールの飲み込みが早かったdemo!expoチームが見事1位を獲得しました。すごい!
結果、2位は人間、最下位は編集舎となりました。ここで、3チームの得点がいずれも400ポイントで並ぶことになります。

かしこい人が集まっているdemo!expo。さすがです。
「笑い以外、笑いじゃない。」人間
続いて、人間によるプレゼンの時間ですが、時間が大幅に押していたため、かなり巻き気味での進行となってしまいました。
山根さんが丹精込めて作ったスライドも、はしょりまくられる事態に。

なにかに縛られてる花岡さん。なぜ?
プレゼンの中では、万博関連をはじめとした様々な広告の仕事が紹介されましたが、会場がざわついたのは、人間が今後力を入れていく事業として発表された「ごみあし」でした。
Instagramも随時更新しています。これを読んだ方は、必ずフォローをお願いします。
そんな人間の2026年度のテーマとして掲げられたのは「笑い以外、笑いじゃないの。」。
昨年の夏に、山根さんがあの名曲からインスパイアされて生まれた言葉だそうです。
万博関連の仕事が増えたことで、新しいものに触れる機会は多かったものの、その一方で「おもしろい」に真っ直ぐ向き合う時間が減ってしまったという振り返りも語られました。
2025年は「人間の幅を広げた」一年でしたが、2026年は「人間らしさ」と改めて向き合い、より尖った活動を展開していくと宣言。

「笑い以外、笑いじゃないの。」を発表する、半笑いの山根さん。
暴動が起きてしまった四競技目:玉入れ
人間チームが選んだ競技は「玉入れ」でした。
ルールは、花岡さんが物カゴを背負い、それを目がけて各社のメンバー5名が玉を入れるというもの。しかし、花岡さんは逃げ回り、玉が入るのを必死に阻止します。
玉を入れた数×100ポイントが獲得できるという、最後に相応しいボーナス競技でした。

花岡vs全員
「よーい、スタート!」の合図で始まったものの….

花岡が捕獲され、競技になりませんでした。
競技を考えた立場としては、ルールの甘さからこのような暴動が起きてしまい申し訳ない気持ちもありましたが、正直、笑いが止まりませんでした。
急遽ルールを変更して再戦です。今度は「玉を投げられるゾーン」を設定し、花岡さんに直接触れることは禁止されました。
戦へ。今度は「玉を投げられるゾーン」を設定し、花岡さんに直接触れることは禁止されました。

暴動を防ぐために、ボールは枠の外から投げるルールに変更。

人間の社員から容赦なく玉をぶつけられる花岡さん。みんな普段から花岡さんに恨みを抱いているのでは…?

めちゃくちゃ痛そう。
逃げ回りながら必死に耐えましたが、終わるころにはへとへとに疲れ切った様子でした。
そして結果発表。かごから一球ずつ取り出して、数えるスタイルでした。

運動会っぽい光景で、懐かしい気持ちになりました。
最初に脱落したのは編集舎で、記録は19球でした。残ったのはdemo!expoと人間の一騎打ち。これまでの競技で両チームの得点が並んでいたため、玉入れの勝敗がそのまま経営運動会の優勝を決めることになりました。

緊迫の中、最後は22球を決めた人間チームが勝利し、見事に優勝を手にしました。


ガチトロフィーも用意されていました。
まとめ
普通の経営方針発表会では、どうしても参加者はただ話を聞くだけになりがちですが、
「経営方針運動会」では、全員が強制的に参加者意識を持てるのでおすすめです。
さらに、ずっと話を聞き続けるのではなく、間に運動を挟むことでプレゼンへの集中力が格段に高まり、その結果として経営方針がより深く心に刻まれる気がしました。
めちゃくちゃ疲れるけど…….!



