「はやすぎる年賀状」をなるはやでお送りしました


あけましておめでとうございます。
株式会社人間の山根シボルです。

弊社では毎年「正月は年賀状として好きなものを送っていい日」と勘違いして、様々な迷惑な年賀状を送っているのですが、2020年の弊社の年賀状は「はやすぎる年賀状」です!

はやすぎる年賀状

まず、写真をご覧ください。

そう、この年賀状は写真に写して本領を発揮する、いわゆる“映える”年賀状なのです。
この年賀状がなぜはやそうに見えるのか、それは“透明のプラ板にエフェクトごと印刷している”デザインになっているからなんです。


(今年はブログのためにはじめから闇の頓花さんの年賀状を多く刷りました)

そしてさらに、この年賀状の“はやさ”を強調するため、我々の送り先の会社の多くが最終出社日になるであろう12月27日(金)に届くように早めに郵便局に出しました。すると、思惑通り27日〜31日にかけて多くの方が段階的に写真を上げてくださいました。

 


 

このように、皆さんに思い思いの方法で楽しんでいただき大変嬉しく思っております。
特に今回は「ひとつの仕掛けをつくってみんなに遊んでもらう」というギミックによって、自然と大喜利のようなコミュニケーションが生まれていて良かったと思います。

あと、個人的には久しぶりにデザイン会社っぽいネタなのも良かったですね。
今年は社員も増えるし内製も強化していきますよ。

「はやすぎる年賀状」ができるまで

せっかくですので、メイキングについても語りますね。

弊社では毎年年末になると「年賀状ブレスト大会」があるんですが、今年は社員、アルバイト、インターン入り混じってのバトルロイヤル状態でした。
そこで一番盛り上がったのが、前向きの推進力が強すぎる“パワーディレクター”の異名を持つ武藤さんの「WENGER(ウェンガー) 状」というダジャレで、WENGER製のナイフを送る案でした。


なんじゃこりゃ

ですが、さすがに刃物を送るわけにもいかず、私の「動きシリーズ」というネタが原案になりました。


当初は色んな動きを考えてました

で、ネタは決まったけどもこのデザインを成立させるためには

・透明にグラデーションのあるものを印刷する
・郵送する宛名分の約400パターンのデザインが必要

という2つの大きな課題が浮上しました。

アイデアを出した私でさえ「これ難しそうだな」と罪悪感があったのですが、ここからプロダクト好きディレクターの佐々木とデザイナーの松尾に作業を丸投げすることになります。

というわけで、ここからは佐々木に軽く説明してもらいましょう。

どうやって400種類のデザインを完成させたか

はい、佐々木です。

今回の年賀状、よく見れば裏面はすべて相手の「名前」「住所」が入っていて、さらにそれが早く動いている風のエフェクトが掛かっているんですね。


ちゃんと名前にエフェクトが掛かってるんですねー

つまり、400種類の文字組や入力が必要となるんですが、年末の忙しい中、住所や宛名などを入れていっていたら途方もないので、Adobe Illustratorの「変数」という機能を使って、CSVからテンプレートとなるデザインに流し込みます。変数ばり便利。


変数入れる前のデータ

入力後のデータができたら松尾さんにバトンタッチ。
エフェクトを掛けたり細かい文字の調整を行ってもらいました。
僕と松尾さんの作業時間を作るため、例年よりかなり早く住所録を作らなければいけなかった花岡さんは「死ぬ!」と嘆いていました。

印刷にもかなり手間がかかってます

お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、プラスチックの板に「反転させた宛名面→白グラデーション→裏面」という順に印刷されていています。こうすることで、宛名面がつるつるの面の方に出てくるわけです。ちなみに、写真を撮影した際に手や後ろの風景が透けないように「白グラデーション」は2回印刷しています。


印刷順のイメージ

そして最後の難所、作ったはいいがどうやって送るか。
ここからは郵便局に行って、「これ、送ることできますかねえ……?」と質問しながら調整するしかありません。新人アルバイト、小田切さんの郵便局通いの日々が始まります。

はじめは

・透明のものは送れない
・角が尖っているから他の郵便物を傷つける
・年賀状と間違われると年内に届かない
・割れたらどうするんだ

などなど、様々な課題を郵便局から提示されてしまいましたが、完成した年賀状を満を持して郵便局に持っていったところ、年賀状と間違われないように配達を担当する局に連絡してくれる神対応・・・!さすが!


毎度手間かけてすみません

プロダクトのノウハウを活かしたい2020年

再び山根です。
こうして出来上がった年賀状、毎年思いますが楽しんでいただければ苦労の甲斐もあります。

昨年は、巨大なパネルからペーパークラフトまで制作した「平成最後の完写祭」、レーザーカッターを使って制作した「間取ラー」、鉄工所と協力し電解マーキングまで手作業で行った銃弾を跳ね返すバッジ「ガンバッジ」、どこでもオフィスを建てることが出来る「モバイル支社」、そしてエフェクトを印刷した「はやすぎる年賀状」。
様々な無理難題を任される佐々木に、謎のノウハウが色々溜まってきました。

こういった技術を別のプロダクトや広告で活かしたい!ノベルティ、ファングッズなどうまくコラボできる気がする!なにか変なモノ作りたかったら、ぜひ弊社の佐々木にご相談ください!

それでは、今年も株式会社人間をよろしくお願いいたします。