みうらじゅんになりたい「岡シャニカマ」が入社日に欠勤しました。

2020.02.07

はじめまして、斜に構えているから「岡シャニカマ」と申します。
2020年2月3日より株式会社人間に社員として働くことになりました。

簡単な自己紹介をします。

無職、奴隷、社員への華麗なる転身

1995年、大阪生まれの25歳、身長が186cmの大型新人です。
前職は株式会社アカツキという会社でスマホゲームのプロマネをしていたのですが、とある理由で会社を辞めてしまい、半年近く彼女の家に転がり込んでブログYouTubeに屁理屈をアップする『屁理屈コネクター』として活動していました。その結果、150人弱のフォロワーを獲得し、代わりに優しい彼女と住居を失います。

安定した収入がほしい。
でも、面白い仕事しかしたくない。

そんな厚かましい私がダメ元で「面白い 会社」と検索してヒットしたのがこの「株式会社人間」です。
ただ、実力も実績もなかったので『そうだ、これから実績を作ろう』と企画書を100枚作って持ち込みました。

その努力が認められ、奴隷(アルバイト)として働き始めたのが昨年の7月。天性の社畜的才能が開花し、死に物狂いで働いた結果、プランナー兼ディレクターとして3つほど案件を任せてもらいました。

<担当した案件>
・有給を供養する灯籠ナイト『有給浄化』
・銃弾から乙女を守る正義のバッジ『ガンバッジ』
・個人情報を販売するイベントブース「ディストレス市場」@AGF2019
・ペニーワイズのTwitter裏アカウント「ペニーワイフ🎈料理垢」

自分なりに結果も出た奴隷期間だったので、昨年末に「そろそろ社員になりたい」と社長に直談判しました。するとなぜか「佐渡島に10日間こもって企画を1000個つくる」という特別入社試験をするはめに。そして、実際に1000個作り切ったので正式に入社することになりました。

※過酷な入社試験「人間島流し」はこちらのブログにまとまってます。

入社日に欠勤する理由

2020.02.03

いろいろあって、やっとの思いで勝ち得た正社員。
今日はその記念すべき“入社日”ですが、私は会社を休みました

いま、目黒の五百羅漢寺というお寺にやってきています。

入社日に休んでまできたのは、ここで『節分会(せつぶんえ)』に参加するためです。30年以上も続く伝統あるこのイベントでは毎回豪華なゲストを招き、特設舞台から太鼓の音に合わせて豆がまかれます。
その豆は袋に入っていて、中には黄色い紙が入った「当たり」の豆もあります。当たりの紙をあとで受付にもっていくと景品と交換もできるというかなりエンタメ性の高いイベントです。

ただ、このイベントにやってきたのは豆が欲しいからではありません。
今日ここにやってくる特別ゲスト『みうらじゅん』に会いたいからです。私が学生時代から憧れ、尊敬し、勝手に師として慕ってきた偉大なる先輩に一言挨拶がしたいのです。

というのも、この五百羅漢寺には『有給浄化』でお世話になった佐山住職が勤めておられるので、その会社関連で生まれたつながりを恥を忍んで私的利用すれば、ご本人に会えると思ったのです。躊躇はありませんでした。

佐山さんに「みうらじゅんに会いたいです」とメッセージを送ると、なんと二つ返事で「じゃあ紹介できるようにしますね!」とご快諾いただいたのでした。

私にとって「みうらじゅん」とは

私はみうらじゅんが大好きです。
スマホの壁紙は自作で「みうらじゅんから通知が来ているように感じられる壁紙」にしています。

なぜそこまで「みうらじゅん」という人物に傾倒するのか。
それは彼の“生き様”を愛しているからです。

私が最初に彼を知ったのは7年前に「ワイドナショー」という番組でした。「小学生の受験戦争が激化している」という問題を取り上げた際、司会からコメントを求められたみうらさんはこう答えます。

「あれ、旗が縦だからダメなんですよ」

は?とテレビを見ている自分もスタジオ内も唖然としていました。それでもみうらさんは受験を応援する塾の先生が持つ旗が縦に伸びていることにフォーカスして「横だったら横断幕持ってゆっくり行進するんですけどね、縦だからカーッとくるんですよ」と独自の論理を展開していました。

その時です。「私の目標はこの人だ」と思ったのは。
どんなに真面目な場面でも、賢さを求められる場面でも、自らを“滑稽”なポジションに置いて笑われる対象であり続ける。そこがいい。

私は図体の割に器が小さく「カッコつけたい」とか「賢く思われたい」というプライドに支配されがちです。だからこそ、人生ごとネタにして笑いを取る彼に憧れるのでした。

彼は偉そうになって、自分を過信してしまう状態を「権威・濃すぎ(ケンイコスギ)」と呼びますが、まさにその通りです。
会社を辞める時も、チームの会議をいい感じにファシリテートしていた時に『あれ、俺は権威濃すぎかもしれない』と思ったのがきっかけでした。

みうらじゅんとの初対面

13時に羅漢寺へ到着してから、私はみうらさんの到着を待ち続けました。
14時過ぎ、ついにみうらさんがその姿を見せます。

しかし、羅漢寺に入る前の入り口で追っかけのファン(1名)が急にみうらさんに駆け寄り、スタバの袋を手渡していました。裏ルートとはいえ、ちゃんと筋を通して接近している私からすれば「そんなのありかよ!」です。まさかの出遅れスタートでした。

実際に対面できたのは14:30ごろ。みうらさんといとうさんが仲良く談笑している所へ佐山さんが紹介してくださいました。

「みうらさん、ちょっと紹介したい人がいまして…」
「ああ、どうぞどうぞ」

いざ目の前に現れた憧れの存在。
というか「神」そのもの。

「ええと…あの…簡単な自己紹介だけさせていただきますと、私は岡シャニカマ と申します。」
「え、ちょっとやばい人じゃないの?笑」

記念すべき初会話です。

「いやいや、やばくないです!私みうらさんに憧れて会社を辞めまして、みうらさんのことを見苦しいほど愛してキャリアをつんでおります」
「ほらやばい人だよ 笑」

このぐらいで終わっていれば良かったのでしょう。
私には1つ使命がありました。

“みうらじゅんに1000枚の企画書をプレゼントする”

入社試験で造った1000個の企画を企画書にしてファイリングしたものをみうらじゅんにプレゼントすべく持ってきたのでした。

みうらさんは「いやげもの」と称して、もらって嫌なお土産を各地で買い漁っているので、その文脈にかけて、私が死にものぐるいで作った1000枚の企画書をプレゼントしたいのです。

「あと今日どうしても渡したいものがありまして…」
「なに?」

おもむろに企画書を取り出しながら。

「実は入社試験で作った1000枚の企画書がありまして、それをぜひみうらさんにプレゼントしたいんです!」

するとみうらさんは返す刀に「いらないよ!」と言いました。

「え、でもいやげもの…」
「いやこれはさ、自分で持っててマイ遺品にしなよ!せっかく考えたんだから、自分でやればいいんだって!」

そして、結局みうらさんに企画書は受け取ってもらえないのでした。


(写真だけ撮影させてもらいました)

続・みうらじゅんになりたい

結果として「いらない」と企画書は受け取ってもらえませんでしたが、これを皆さんはどう捉えますか?

「みうらじゅんはポリシーを曲げている」と思いますか?
「使命が果たせず残念だったね」と思いますか?

私はそのどちらでもありません。
「これはみうらじゅんからの激励だ」と捉えます。

みうらさんは「いらない」と称したものを「自分で持ってなさい」と言いました。つまりこれは「お前も嫌なものを引き受ける側になれ」ということ。つまりは「こっち(=みうらじゅん)側に来たいのなら、それを持っているべきだ」と言ってくれているのです。

たしかに、あのまま「いやげもの」としてみうらさんにプレゼントしていたら、構図としては「みうら:ほか」となっていました。しかし、あえてみうらさんが「受け取らない」という選択をすることで、私をみうらさんの立ち位置、つまり「権威・濃過ぎ」でないポジションに立ててくれたのです。

みうらさんには感謝しかありません。

“オモシロドリブン”な人間最高

ここまで書いて気付いたのですが、入社ブログなのに「人間に入りたい理由」とか全然書いてませんでした。ちゃんとあるので書きます。

先ほどから「みうらじゅんになりたい」としつこく言っていますが、当然モノマネがしたいわけではありません。
あくまで彼の生き様を見習いたいのであり、追求できる“おもしろさ”は全然ちがっていいのです。

みうらじゅん的姿勢は持ちつつ、自分がおもしろいと思える事柄を追求していきたい。
そんな私にとって「株式会社人間」は最高の環境です。

もちろん「株式会社」として追求しなければならない利益や社会的責任は押さえつつも、「人間」として常に優先順位の最高位には『おもしろいかどうか』が君臨している。まさに“オモシロドリブン”です。
その証拠に前述の島流しでは休みをもらって旅費も宿泊費も出していただき、今回は入社日に欠勤しても許されました。その方がおもしろいからです。

ここまで「おもしろいから」が水戸黄門の印籠みたく効果を発揮して意思決定を左右する会社は他にありません。東京にあった前の会社では、常にオチを求め、ちょっとした発言にもツッコミをいれて笑いを逃さないように目を光らせていただけで『関西ハラスメント』と呼ばれていました。今は違います。

人間ではめんどくさいぐらい高い水準で「おもしろいかどうか」が見極められているので、企画に一切の妥協がありません。常に良いボケ方を考えているおかしな人の集まりです。まさに『関西ノイローゼ』です。最高です。

人間がこれからもっと最高な環境であれるように、会社のツッコミ担当として社長たちのボケを逃さず拾い、誰もがボケてツッコめて、本当に笑いの絶えない会社にしていきます。

どうぞよろしくお願いします。

岡シャニカマ

Twitter:@SHANIKAMA_hrkt