須田亜香里さん、バズれなくてすみませんでした。

2020.03.25

いやーすべりました。

どうも、株式会社人間の岡シャニカマです。
のっけから大胆に開き直りましたが、このブログは1%の「謝罪」と99%の「スベった言い訳」でお送りします。

平素からスベることは多々ある弊社、別に少々スベってもブログなんて書かず天候不純や不景気のせいにして熟睡するのが常です。
ただ今回はAKB総選挙2位、神7にも選ばれたトップアイドルSKE48の須田亜香里さんをスベらせてしまったので、このような謝罪ブログを書かせていただきました。

遡ること8ヶ月ほど前、人間は日本テレビの「新・日本男児と中居」という番組に出演し、見事「わたなべとおるかな?」という企画をバズらせてしまいます。
この番組をご覧になった東海テレビの「SKE48のバズらせます!!」のスタッフさんが「須田亜香里をバズらせて欲しい」とご依頼くださったのです。

この番組はSKE48のメンバーとスピードワゴンのお二人が、SNSでバズを生み出す「バズらせのプロ」に教えを請い、話題になるような投稿をしていくという番組。
渡辺徹さんを使って1週間で2万フォロワーを獲得した人間は、まさに「バズらせのプロ」というわけです。

またもやハードル上がりまくりな依頼。
社内で企画を持ち寄り、いろいろと企画が出ました。

須田亜香里を広告枠にした『部位総選挙』

須田亜香里の身体を広告枠にしてしまい、出向する企業をWebサイトで募集して人気の部位をオークション形式で決める企画。もし成功すればアイドルの新たな収入源になりうる。 by 山根シボル

燃え盛る須田亜香里の蝋人形を囲む謎の宴『須田の灯りを囲む会』

燃え盛る須田亜香里の蝋人形を囲みながら楽しく宴を開いている様子を、SKEメンバーが平然とSNSにアップする企画。不気味な会合についての説明が一切ないのでネットが騒然とする。 by 岡シャニカマ

他にもエキサイティングな企画がいくつも生まれましたが、結果的に採用されたのは『極秘握手会トレーニング』という企画。
何を隠そう発案者(主犯)は私でした。

「極秘握手会トレーニング」とは

最初に「須田亜香里をバズらせて欲しい」と言われた時の感想は「もうバズってるじゃないか」です。
AKBの総選挙で2位、フォロワーも17万人、十分にバズっています。

<須田さんのアカウント>

ただ、私も含め人間メンバーはほとんど須田さんについて知らなかったことも事実。
アイドルに精通している人や、普段から日常的にテレビを見ている人以外にはまだまだバズる余地があるということです。

須田亜香里のバズる余地はどこか

まず私は「須田亜香里」を知らない人にバズらせるために必要なことは何かを考えました。
それは主語を「アイドル」にすることです。

「須田亜香里が変なことをやっている」だと、おかしさはファンにしか伝わりません。
そこで主語を「アイドル」にして「アイドルが変なことをやっている」にすると、より広い層に刺さると踏んだのです。

須田亜香里“らしさ”とはなにか

「変なことをさせよう」と言って、ただ闇雲に「遠洋漁業」や「炭坑夫」をさせても意味が分かりません
一定「AKBらしさ」や「須田亜香里らしさ」という文脈に絡めて、企画として分かりやすいストーリーを付ける必要がありました。

調べてみると、須田さんは“握手会の女王”と呼ばれるほど握手が上手で、握手会で彼女の虜になるファンも多いんだとか。
たしかに「握手会」はAKBらしさも兼ね備えているし、須田さんとの縁も深い。今回の企画にうってつけです。

素晴らしすぎる神対応!SKE48須田亜香里さん握手会レポまとめ

誕生した企画「極秘握手会トレーニング」

そんな流れで企画したのが『超ストイックに謎の握手会トレーニングをする須田亜香里の裏アカウント』というもの。

本人なのか、偽物なのか。
真面目にやってるのか、ふざけているのか。

グレーな状態でシュールなトレーニング動画をアップ。まずはファンから「これ、あかりん!?」「うそでしょw」という驚きを引き出し、その投稿が事件性を帯びてくれば「わたなべとおるかな?」と同様に広範囲へ拡散されていくと踏んだのです。

(番組でプレゼンした資料)

この企画を社内で発表すると刃牙フリークな人間メンバーはトレーニング内容で大盛り上がり。
「毒手」や「ヘリとの綱引き」、「バグナグの習得(※)」など、およそシラフとは思えないアイデアが生まれました。
※インド製の暗殺器具

(毒手は実際に須田さんが披露)

このようにして、満場一致でこの企画が採用されたのでした。

ちなみに弊社では「話題が刃牙か下ネタになったら会議終了」というルールがあります。
無条件でゲラゲラ笑えるので、何が面白いか分別つかなくなるからです。

なぜその日は会議を続行したのか、今となっては知る由もありません。

須田亜香里はスゴかった(撮影当日)

当日は出演する花岡さん、山根さん、広報で手伝ってくれている白井さん、そして私の4人で名古屋へ。

(集合時点でテンションの低い低血圧な2人)

現場で簡単な打ち合わせをしてから収録が始まります。
まず「わたなべとおるかな」をバズらせた“バズのプロ”として紹介され、山根さんから企画のプレゼンをしました。

「人間流のバズるコツがあります」
これは山根さんが当時、意気揚々とカメラ前で語ったセリフです。

そのプレゼンに確かな説得力があったのか、彼女がプロ過ぎたのか、須田さんは我々も驚くほど全力でトレーニングをやってのけました。
どんな無茶振りにも真摯に応え、しかも飲み込みが早くて『どうすれば面白くなるか』を理解して動いてくださる。

(須田さんが得意とした“握手バトン”)

売れるはずです。演者としてはこの上ない働きでした。
同時にそれは今回の敗因は全て我々にあるということを意味しています。

(我々も大真面目に取り組みました)

バズりませんでした(再掲)

長々と企画意図や狙い、演者さんの素晴らしさを語りましたが、タイトルの通り結果は「バズらなかった」です。
まずは実際の投稿をご覧ください。

あえて画角を悪くしたり、前に人を横切らせたりすることで人間流のバズるコツ「素人っぽさ」は出ています。
ファンでも「まさか本人じゃあるまい」と思えるクオリティ。狙い通りです。

投稿してから3日ぐらいは0フォロワーで誰にも見つからなかったのですが、4日目から一部のファンに見つかります。

「あかりん!?w」
「え?これ本人ですよね?」
「毒手かよw」
「この動画はどこへ向かうのか…」

狙い通りの感想、ついにバズる兆しが見えました。見えただけでした。

結果的に獲得したフォロワーは550人程度。
ついたいいね数も200〜300弱と微妙。
何よりファンの方にしか届きませんでした。

バズはファンのみなさんの瞳の中だけで終わってしまいました、ということです。(それをバズというかは置いておいて)

「こういう時もある」に尽きる

今回の反省点を1つあげるとするならば、それは「シュールすぎた」という部分です。
素人感を出すあまり、絵が地味すぎてそもそもファンも気づかないし、結果的にファン以外でもびっくりするような『事件性』が出せませんでした。

完全に我々の力不足です。
でも、こういう時もありますよね。

「コツ」はあくまで「コツ」です。
誰でもバズらせられる方程式があったら誰も苦労しません。

世界のイチローだって、全打席ヒットを打ったわけじゃなくて、7割は凡打なんです。
しかし、その凡打を次のヒットに活かすため努力し続けたからイチローは偉大な打者になり得ました。

今回の「最強の握手を追い求める須田亜香里」はイチローの凡打なんです。

申し開きは異常です。
どうもすみませんでした。

 

ちなみに…

気づいた方もいらっしゃるかもしれませんが、撮影当日に花岡さんは最初「首にコルセットを巻く」というボケをしていました。
しかし番組のプロデューサーさんに「あんまり怪我とかをボケにするのは良くないんじゃないですかね?」とごもっともな指摘を受け、渋々断念したのでした。

こんな我々ですが、また機会があればぜひ呼んでください。
一同、首を長くして待っています。

番組情報

番組名: SKE48のバズらせます!!(東海テレビ)
放送日時: 2020年3月24日(火) 24:35~
放送地域: 愛知、静岡、三重、岐阜
出演: 須田亜香里(SKE48)、井戸田潤(スピードワゴン)、江籠裕奈(SKE48)、青木詩織(SKE48)
Web: https://www.tokai-tv.com/ske48buzz/

(番組で使用したプレゼン資料)