やめるデザイナー「平松」が退職してから2ヶ月近くが経ちました。

2023.11.21

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平松 円(元人間)

こんにちは、やめデザイナーの平松です。
このブログをもちまして、退職のお知らせをさせていただこうと思います。

気づけば人間をやめてから早2ヶ月近く経過してしまいましたが、
今までお世話になったみなさま、心より感謝を申し上げます。

ありがとうございました。

 

人間を辞めてからの1ヶ月間

無事にロンドンで大学院生をしています。

数年前大学生だった頃は人生で一番時間があったので、
今回ものんびりしてるだろうなと思っていたのですが
近況としては、とても忙しいです。

大学院では主に「デザイン思考」や「批判的思考」を学んでおり、
噛み砕いて説明すると「モノを作る前の過程を疑ってよく観察する力」を鍛える学科です。

最近ではグループワークで制作担当になり、超綺麗に作ったのに、
「オリジナリティ」とか「皮肉っぽく」とか自由が象徴の国の人たちとかに散々言われた末、
半ば怒りながら画面を崩壊させたらOKが出ました。

トンマナも普段なら絶対作らないもので、無意識に海外トーンになってて、
制作するものって本当に環境に左右されるなと思いました。

腹を立てて思わず破壊したデザイン(パンフレットの見開き)

この課題は”Brack square”を自分たちの解釈で作品にしなさい。」というものの一部。
課題内容が投げやりすぎて、1ヶ月にしてクラスで教授一同に授業内容に関しての嘆願書を提出する流れになってます。海外すぎる。

他にもロンドンでの生活自体は日本では想像できなかったようなことも多くて
オーブンに鶏肉と野菜をとりあえず打ち込む素材系料理を作ってみたり、(全て私のお弁当)

ヨーロッパ最大の文化施設へ授業で足を運んだり。

バービカンセンター(街みたいな施設、というか施設という名の街)

あとは、冗談抜きで毎週のようにみんなパーティをしてるので、一度参加しましたが、
最終的にはみんなに「LOVE YOU」と言い散らかして、
帰り道迷ってたら知らないインド人に助けられてバスで帰宅したような記憶があります。

そのインド人に呼び出され街を歩いたこともありました。

ちなみにコーヒーの知識と技術が欲しいなと思い、さっきカフェの面接に行ってきました。
明日はトライアルで朝から店頭でコーヒーと戦います。

さて、近況報告はこの辺にして、
ロンドンに上書きされてしまう前に、人間生活を振り返ってみましょう。

 

ここが変だよ株式会社人間

人間に入社してからというものの、初めて経験するような出来事が多く、
たのしい9ヶ月間だったな〜なんてノスタルジーになったりもしていました。

が、ロンドンの地に足をつけて冷静に考えてみると
「…あれっておかしくね?」という出来事が頭の中にいくつかフラッシュバックしてきたので
事実確認として社員時代を振り返ってみましょう。

その① デザインをしてはいけない仕事

こちらの案件をご存知でしょうか?

マイネオ旧周年webサイト

タイムスリップをしたかのような錯覚に陥るwebサイト、
画像もズレてるし、ダサいし、どこの厨二が作ったんだよと思われるでしょう。

「私」です。

制作の狙いとしては古き良き2000〜2010sのブログサイトを想起させることだったのですが、
期間中は「デザイナーとしてのプライド」が中々捨てられず、
某プランナーに「もっとダサく!綺麗に見せようとするな!!デザイナーの我を捨てろ!!!」と言われ続け、
なるべく自分がデザイナーであることを忘れ、中学生になった気持ちでサイトの質を高めてゆくと
某プランナー「ダッセェwwwwwあ、褒め言葉ですよ。」
「は?」

というようなことが度重なってありました。
あのヴィランのような笑い声は今でも忘れられません。

その② 距離感のバグ

そう、あれは7月の中頃、
住んでいるシェアハウスの住人たちがすぐ喧嘩するので、嫌になり引っ越したいなぁとぼやいていたら花岡さんが「武藤さん家住んだら?」と一声。

当時、社員の武藤さんはほとんど会社にこず、私にとって未知なる人物でしたし
そんなの承諾が降りるわけないと思っていたのですが、
オンライン会議終わりの武藤さんに花岡さんから
「武藤さん家に平松さん居候させてあげてや」
と聞いていただいたところ
「いっすよー」
と一瞬で画面越しに許可がおりました。

その後も武藤さんとお話しを進め、あまりに適当だったので心配になり
「お家のルールとかありますか?ほら、何時以降は静かにしなきゃならないみたいな!」
と明確な指示を聞き安心したかったのですが、
武藤さんは「うーん」と少し考えた後
「盗みとか?」
といっていただき、もう我々に議論など必要がないことを悟りました。

結果8月後半から9月の末まで、武藤家でお世話になりました!
時々、晩御飯をご馳走になったり、パン屋さんをめぐったりと、
のほほんとした経験をさせていただきました。

何よりも、
一人暮らし歴10年の私にとって、「おかえり」や「何時に帰ってくる?」という
些細な言葉が心にしみしみに染み渡りました。

小ストーリーですが、武藤さん家のりょうへいくん(2歳)は私のことを「せんせい」と呼び、
飴狩りをしによく部屋に遊びに来てくれていました。

武藤さんの家を出てからの武藤さん(奥さん)からのライン

できることなら、武藤さんの家から大学院に通いたかったです。本当に。
ただの社員の私をひととき、家族の一員にしてくれてありがとうございました。

食卓にお呼ばれした時の写真

その③ 「卒業旅行したらええやん」でタイに行く

とある打ち合わせにて、
明確にいつ私が退社するのかを議論している際に
花岡さんから「卒業旅行したらええやん」と一言。

人間は代表の同意があって、社員の行動力さえあれば大体なんでも実現する会社です。
真摯にその言葉を受け取り、バックオフィスのバーバラさんと手を組み計画し、
私の卒業旅行という口実で我々人間一同は8/29から4日間タイへ行ってきました。

詳細に旅行の内容を話すとことりっぷのような本が一冊できてしまうので、簡潔に私の感想を…。

人間生活においてみんなとなんとなく共に仕事はしていたけれど、
テレビに出てたりする神出鬼没の社員や、
そもそも全然会社にいない社員、
ほとんど笑顔をみたことのない社員、
そんな社員たちと、異国で時間を過ごし、美味しい食べ物や珍しい経験を
共有できたことはすごく嬉しいなぁと思っていて、
どこに行ったかも大事だけど、誰と行ったか、の方が大きいのでは
と思えるような経験でした。

代表の山根さんは
「海外に行くのって大変やし、そこまでして行く理由があんまりわからん」
と前向きでなかったものの象に乗ってしまうとこの笑顔でした。

象に乗る山根さんとバーバラさん

路線の上にあるメークロン市場での写真

上記の通り、しれっと色々経験していましたが、
冷静になってみると「あれ?」ってなることが多かった人間生活。

一番の驚きポイントはこれら全て9ヶ月間で起きていたこと。

前職では4年も勤めていたのに、社員旅行に行ったこともなければ社員とプライベートで会ったこともないし、デザイナーとしてのもっと自覚しろと言われ続けていました。

短い間ではありましたが、濃縮された人間生活をありがとうございました。

※大きく3点「ここが変だよ株式会社人間」ポイントをあげましたが
もっとたくさんあるので、気になる方はご連絡ください。

 

人間との別れとその後

9月いっぱいで人間にさようならだと、入社当初は思っていたのですが、
ありがたいことに、社員時代に関わったプロジェクトで、
引き続き動いている案件の一部はこれからも関わらせていただく方向になっています。

引き続き制作している案件「大阪ええYOKAN」

この制作は入社から退職まで、ずっと走り続けていた制作でした。

和菓子屋さんのパッションで新しい視点の羊羹がたくさん生み出されて
そのグラフィックも自由に作らせていただき思い出深い制作です。

羊羹が食べれた幸せな案件でしたが、今やリモートだと食べれなくて、悲しいです。

↓ちなみに退職してからすでにしれっと一件仕事をいただき遂行しました。

クイズレストラン

そして、平松がいなくなって「心にぽっかり大きな穴が空いた」平松レス状態になってたり、、??

と期待していたのですが、
ロンドンに来てからの最初の人間との打ち合わせ(10/3)では
「じゃあまた来年」で締めくくられてしまいましたし、

インスタグラムでは、

社員(バーバラさん)とのメッセージのやり取り

と今世紀最大の塩対応をされました。

いくら塩対応をされても
人間が平松のことを完全に忘れるまではどこかでこそこそ
関わっていければと思っています。

人間社員時代、お世話になった社員のみなさま、
関わっていただいた近隣の会社の方々、
クライアントさまも、
やめると言うことをネガティブではなくおもしろく捉えていただいてありがとうございました。

おかげさまで新しいスタートを気持ちよく切れています。

 

やめるデザイナーではなくなってしまいましたが、
ニュー平松も今後ともどうぞよろしくお願いします。

出国前に全体重をかけてパンパンの荷物をなんとかトランクに収める平松 拝

 

P.S.

やめるデザイナーをやめた平松は
個人で現在も活動を行っておりますので、
お気軽にお問い合わせください!
(現在、割と埋まっているので2024年1月以降だと嬉しいです!)

asdwdhyfcy@gmail.com
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